統合失調症

統合失調症圏

統合失調症

病気の特徴は?

統合失調症は、幻覚(知覚の異常)、妄想(病気に起因する判断の誤り)、感情の異常(抑うつや不安、喜怒哀楽など自然な情動の起伏が乏しくなるなど)、思考障害(思考がまとまらなくなり前後の脈絡がつかなくなる)、自我障害(自他の体験の境界があいまいとなる)、など複数の症状が同時に、1か月以上持続する特徴をもつ精神障害です。
多くの場合、病前に可能であった学業、仕事、家事の遂行が困難となり社会行動の障害をもたらします。
統合失調症は人口の約1%に性差なく、多くは思春期から青年期(10代後半から20代後半まで)発症します。
統合失調症は病気自体に致死性を持たず慢性の経過をたどりますが経過中に数割が自殺願望を持ち数%程度が最終的に自殺を遂げるため一般人口に比べて8倍以上の死亡率を有することが知られています。

病気の原因は?

現在のところ統合失調の原因は不明です。
発病前の神経発達障害、神経科学的機能異常、遺伝など生物学的原因が単独または複数で病的素因として存在し、環境や心因など心理社会的ストレスが持続的に負荷されると閾値を超えて発病に繋がる「脆弱性‐ストレスモデル」が有力視されています。
統合失調症近親者における統合失調症出現率は一般人口と比して明らかに高く家系内では親等が近いほど疾患出現率が高まることから統合失調症発病に遺伝素因が関係していることはほぼ確実と考えられています。
幻覚、妄想などの統合失調症の症状発現に脳内神経伝達物質であるドーパミンに対する感受性亢進に起因するとの「ドーパミン仮説」、幻覚、妄想、無為、自閉、感情の平板化などに興奮性アミノ酸の機能低下が関与するとの「興奮性アミノ酸機能異常仮説」が提唱されています。

診断に必要な検査は?

類似の症状を呈する他の精神障害を除外、鑑別する目的で検査が行われます。
前頭葉腫瘍、脳炎、レビー小体型認知症との鑑別目的に CT、 MRI などの脳形態画像検査が、アルコール幻覚症やメタンフェタミンなどの覚醒アミンによる中毒精神病など症状精神病との鑑別には尿中、血中物質定量が、てんかん発作後のもうろう状態の鑑別には脳波検査が、精神遅滞者の解離性昏迷の鑑別にはウェクスラー成人知能検査(WAIS-Ⅲ)ほかの知能検査が、精神病症状を伴う気分障害との鑑別には近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)がそれぞれ推奨されています。

有効な治療法は?

統合失調症者は罹患により社会的孤立、修学や修業機会の喪失、住居確保が困難、また抗精神病薬による有害事象の危険、などにより生活の質が低下しやすいことが知られています。
したがって、統合失調症治療においては単に症状の緩和のみに目を向けるのではなく病者の生活の質の改善と可及的速やかな社会復帰を目指し個別のニーズに応じて抗精神病薬、支持的精神療法、生活技能訓練などを組み合わせた包括的、多元的アプローチを探求する必要があります。

クリニック概要

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おおた心療内科醫院

院長
太田共夫(日本精神神経学会専門医・指導医/
日本老年医学会専門医・指導医)
診療科目
心療内科・精神科・老年精神科
住所
〒238-0007 横須賀市若松町1-1 野上屋ビル5F
アクセス
◎京急本線 横須賀中央駅 徒歩2分 ◎京急バス6番乗場正面
電話番号
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FAX
046-823-3800
診療時間
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休診日:祝日・日曜日